困った時の奇経治療

脈差診や入江式経別脈診でも明確に診断がつかない
時がある。 肝や脾など交互に反応がでたり消えたりして
診断に困るケースがある。

昨日、不妊治療に来られた方は、いつもは肝が病んで
いる事が多い のだが 左右の掌診も経別脈診もハッキリ
せず、脾や肝や腎に反応が 出たり、 直ぐに消えたりして
診断がつがず困った。

話を聞くとここ一週間は公私ともに忙しく時間に追われ
ている状態が 続いていると。 多分オーバーワーク等によ
り経脈が混乱を起こしている状態であろう。

このように経脈がパニックを起こしているケースは入江式
奇経治療を 行うことにしている。 東洋医学の基本概念
のトップである陰陽を調整する作用が奇経治療にはある。
従って虚実、表裏、寒熱を まとめて処理をするような作
用が奇経治療にはある。

入江正先生は奇経治療の診断、治療方法は数多く
発表を されているがその中で一番シンプルな方法を使
ている。

診断は圧痛でもいいがやはり入江FT(フィンガーテスト)
がベストである。 陰陽論から言うと右は陰で左は陽と
なっている、このことから左右の 角孫穴を陰陽の大枠の
診断点としている。間中喜雄先生は角孫は 視床下部
測定点となる穴であるといわれている。

左角孫穴がST(異常)なら陽経奇経の適応症とし
右がSTなら 陰経奇経の適応症とする。次に陽経奇経
が適応症なら人中穴、 陰経奇経が適応症なら承将穴
でどの奇経が適するか診断をしていく こととなる。

この方の場合は右角孫穴がSTだったので陰経奇経が
適応症と、 そして承将穴はSM(正常)だったので衝脈
・陰維脈が適応症となった。

右公孫穴・・IP・・左内関穴、

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右角孫、髄海、気海などの奇経の診断点がSTからSMに
なる方向に IPを交差に結線をこなた。5分後、傾眠状態
になり足先が暖かくなる、 診断が間違っていないことがわかる。

効果の判定はもちろんSTがSMに 変化していることも大切
だが、こういう 変化を見ることも大切、15分後 抜鍼、経筋
鍼で骨盤の調整をして終える。

奇経治療は一対の奇経で済む時と二対が必要なときがあるが、
とにかく奇経治療は良く効く、しかし余り使わないようにしている。

入江先生も指摘されているように、奇経治療は習熟すると
その 便利よさに診断がルーズになり虚実、表裏、寒熱など
の観察が 雑になり、その便利よさ故に施術者の技術を進歩
させない魔力を 持っているからである。

しかし、寒いですね治療所は昨日から暖房を入れます。
今年の夏は異常に熱かったから冬が早めに来ているようです、
そうすることで自然界は陰陽のバランスをとっているのですね。

006010

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